調査無回答には罰
市職員への入れ墨調査で物議を醸した橋下徹大阪市長が、調査に回答しなかった職員について「市長在任中は昇進させない」と指示していることがわかった。同指示は19日、局長ら全職員にメールで通達された。
子どもに入れ墨をみせ暴言も
そもそもの発端は、児童福祉施設に勤務する市職員の問題行動にあった。「子どもに入れ墨をみせている」「アホ、ボケ、殺す、などの暴言を子どもに浴びせている」などの苦情が寄せられ、市の調査でも確認された。
同職員は昨年9月に同僚女性に対するセクハラ行為でも、停職2か月の処分を受けている。にもかかわらず、市側は停職処分後に同じ職場に復帰させ、冬のボーナス査定では「良好」と認定。常識外れの「大甘」姿勢が批判された。
無回答は約500人
市職員に対する入れ墨調査はこういった状況をあらためるべく、橋下市長の指示でおこなわれたものだ。21日現在までに市教委を除く全職員3万5,000人が回答。うち、110人が入れ墨ありと答えている。
10日までの回答が義務づけられていたが、21日までで500人弱が無回答のままだという。橋下市長の「昇進させない」発言は、「正直に答えた人間がバカをみる」との考えによるものだ。
組織改編と個人の粛正
橋下市長は教職員に対して、卒業式など学校行事で国歌を斉唱する際には斉唱と起立を義務づけ、さらに歌っていることを確認するため「口元チェック」を各校長に命じた。今回の入れ墨調査も含め、一連の施策には「やりすぎ」との声も高い。
だがなにもしてこなかった歴代市長により巨大な闇を抱えることとなった大阪市政は、こういった「やりすぎ」を必要とする状況にある。
入れ墨調査の発端となった児童福祉施設職員への「大甘」査定は、おそらくなんらかの「圧力団体」が職場と癒着していることで生じたものだ。
労働組合、被差別地域団体、在日外国人の団体など、各種圧力団体が市政を侵蝕する状況を歴代市長は黙認してきた。橋下市長は「やりすぎ」はこれを断ち切る刃として評価されるべきものだろう。
問題の児童福祉職員1人を処分するのは、各部局の仕事だ。全体を管理するため「入れ墨調査」をおこない、最大限の刷新効果をもたらすのは市長の適正な職務である。
入れ墨職員は「遠山の金さん」?
こういった橋下市長を「プライド意識」ゆえに批判するマスコミも数多い。系列のテレビ局が橋下市長とバトルを演じた毎日新聞は18日、「遠山の金さん」や「魏志倭人伝」まで持ち出して、入れ墨職員を擁護する論陣を張った。
遠山の金さんこと遠山景元は江戸時代に名奉行と評された人物だが、「若気のいたり」で入れ墨を入れていたといわれる。
入れ墨職員に対する一律的な対応により、『未来の景元を失わぬようにするのも組織の「マネジメント」だ』というのが、毎日新聞の主張だ。
もしかして存在するかもしれない「ゴミに埋もれたダイヤの原石」を失わぬよう心配するより、まずゴミ処分を優先してもらいたい、と考えるのが、常識的な市民感覚だと思われるが。
◆橋下徹 オフィシャルサイト
http://www.hashimoto-toru.com/◆毎日.jp
http://mainichi.jp/opinion/news/20120518k0000m070123000c.html