人間国宝のアンドロイド
人間国宝にも指定されている落語家、桂米朝(86)を模したロボットが製作され、今年8月に開催される「桂米朝展」で落語を演じる。大阪大学大学院の石黒浩教授(48)らが制作するものだが、いわゆる「不気味の谷」を超えられるか、注目される。
そんなアホなこと誰が…
桂米朝は今年、数え年で米寿を迎える。その記念として開催される「桂米朝展」の目玉にと制作されるのが、このアンドロイドだ。モデルは2003年の高座写真。長男で落語家の桂米団治も、「ここまで似るのか」と感心するできばえだという。
「桂米朝展」が開催されるサンケイホールが、同ロボットを企画し、石黒教授に制作を依頼したもので、制作には約5,000万円を要した。
桂米団治によると、「誰がそんなアホなこと考えたんや」というのが米朝本人のコメントだったそうだ。
米朝ロボは不気味の谷間を越えるか?
桂米朝といえば、その端正な語り口で知られる落語家だ。ロボットは、音声に合わせて、唇や顔の筋肉が動き、まばたきもするというが、それだけに不気味感を醸し出すのでは、との疑念もある。
ロボット工学では、ロボットが人間に似れば似るほど好感度が高まるが、類似性がある一定レベルになると、不気味に感じることがある、という。この類似性の領域を「不気味の谷間」と呼ぶ。
米朝ロボがこの不気味の谷間を乗り越えられるものか、興味深い。7月のお披露目では本人との競演も予定されており、実際に目にした桂米朝本人がどうコメントするか、注目される。

◆株式会社 桂米朝事務所
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