タイで天候インデックス保険
損保ジャパンは8日、タイの現地法人、損保ジャパンタイランドが農家向けの「天候インデックス保険」を改定したことを発表した。同保険は農家に対し、干ばつなどの被害を補償するもの
実験的プロジェクトの拡大
損保ジャパンタイランドでは、2010年から実証プロジェクトとしてタイ稲作農家の天候被害を補償する保険を展開してきた。
現地パートナーであるタイ農業協同組合銀行が農家への販売を担当。天候被害が発生した際には、損保ジャパンから同銀行に保険金が支払われ、各農家へは同銀行が保険金を支給する仕組みだ。
今回の改定では、これまで「7・8・9月の合計降雨量」が保険金支払いの条件だったのを「7月単月の累積降水量」または「8・9月の2か月間の累積降水量」に改めた。
7月は稲の作付け時期に当たるため、干ばつが発生すると、被害は一気に拡大する。単月を対象とすることで、こういった被害にタイムリーな補償が行えるようになる。
東南アジア諸国にも
今後は同保険のさらなる内容充実を図り、タイ国内の他県や東南アジア諸国への普及ももくろんでいるという。
東南アジア諸国では、コーヒーやゴムなど、特定の農産物に依存している国が少なくない。
農業は単一の作物を集約的に作れば、経済効率が高まる。ただ天候予想が外れると、大きなダメージをこうむることになる。
リスクを補填する保険が普及すれば、高い経済効率を狙って「攻めの農業」を行う国が増え、東南アジア諸国の収入増にもつながることが期待される。
◆損保ジャパン 天候インデックス保険
http://www.sompo-japan.co.jp/news/download/20120508_1.pdf