産経新聞がアンケート調査
5月5日、日本中の原子炉がついにすべて停止する。産経新聞が行ったアンケート調査では、原子力発電所が立地する県では、原子炉停止により大きな税収減におちいる中、停止中でも徴税できる「福井県方式」に色気を示すところが多いようだ。
新税で税収を確保した福井県
各地の原発立地県では、原子力発電所に対して核燃料税を課税している。「原発立地に伴って必要となる、周辺道路の整備や安全対策の財源」とされるが、実質的には迷惑料だ。
原子炉に燃料が装填(そうてん)されるたびに燃料価格の一定割合を課税するもので、原子炉が停止すると税収はゼロになる。
福井県では昨年から新たに、原子炉の出力をもとに課税する「出力割」を制定。これにより停止中でも安定的に税収を確保した。
今年度も、他の立地道県が予算への計上を見送る中、福井県では61億円を確保している。
電気料金値上げで脅し
昨年、同新税を持ち出した福井県に対して、総務省も関西電力もこれをあっさりと受け入れた。
原子力発電所を早期に再開するためには、地元自治体の同意が不可欠と考えていたためだ。
しかしながら、停止中でも税収が確保できるのであれば、福井県にとって稼働を急ぐ必要はない。
こういったデメリットに気づいたのか、電力会社では他の立地道県の追随には「電力料金への転嫁」をにおわせて釘を刺す。
立地道県もこの「脅し」に単独で抗するのは難しいと考え、他県の動向を様子見しているのが現状である。
◆福井県
http://www.pref.fukui.jp/◆電気事業連合会
http://www.fepc.or.jp/present/chiiki/nuclear/kakunenryouzei/index.html