スポンサーによって異なる効果
禁煙をうながすテレビCMは全米で多くみられる。スポンサーは州や私立の財団、製薬会社、たばこ産業などさまざまだが、たばこ産業がスポンサーのCMには、逆に喫煙をうながす効果があることが米研究者の調べでわかった。
禁煙を呼びかけているのに
研究を行ったのは、米イリノイ大学シカゴ校に所属する健康リサーチ研究所の研究主幹、シェリー・エメリー氏ら。
同氏らは、1999年から2007年までに全米のトップ75のメディアで放送された禁煙広告に接する機会と喫煙行動の関係を調査した。
その結果、私立財団や嫌煙製品を販売する製薬メーカーがスポンサーになっているCMを多く視聴した地域では、禁煙率が高まることがわかった。
一方、たばこ産業がスポンサーのCMに多く触れる地域では、逆に喫煙率の上昇がみられた。
たばこ産業がスポンサーにつくCMも、内容的には反喫煙をうたっていた。
禁煙に成功しない方がもうかるから?
また禁煙製品を提供する企業がスポンサーにつくCMを多く視聴する地域では、禁煙を試みるものの断念する人が多くみられた。
それぞれの企業が表面上は「禁煙」をうたいながら、逆のイメージを視聴者にすり込んでいるのだとしたら、その広告戦略には恐るべきものがある。
研究は、アメリカン・ジャーナル・オブ・パブリックヘルスの4月号で発表された。
◆healthday
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=663964