ブラックリスト入りが7倍に
携帯電話料金を滞納してブラックリスト入りする人が急増している。2010年6月には21万人だったのが、2011年末には145万人に増加。1年半で約7倍も増えた、と「週刊ダイヤモンド」が伝えた。
携帯料金は信用情報だった
近年、販売されている携帯電話端末が高価になったため、多くの利用者が分割で購入している。
分割購入の情報は、信用情報を取り扱うCICに登録される。この登録件数は、2011年末で4,342万件にのぼる。
日本国内で登録されている携帯電話機が1億2,000万台超なので、約1/3が分割払いを選択していることになる。
ほとんどの場合、通話料金と一緒に請求されるため、携帯会社に支払っている料金に端末の代金が含まれることを意識している利用者は少ない。
だが代金の分割払いが滞ると、その情報は自動的にCICに送られ、利用者はブラックリスト入りすることになる。
3か月滞納でほぼ100%
携帯料金を滞納した場合、まず2~3週間で電話をかける機能が停止される。多くの場合、その後2か月程度で受信機能も停止され、利用できなくなる。
滞納が2か月を過ぎると、ブラックリスト入りする確率が高まり、3か月ではほぼ100%がブラックリスト入りすることになる。
クレジットカードが作れなくなる
ブラックリスト入りしてもっとも不便なのが、クレジットカードが作れないことだ。その他、車のローンや住宅ローンも利用できなくなる。
滞納情報は5年間保存されるため、一度ブラックリスト入りしたら、一般的に5年間はこういった不便がつきまとう。
鍵はパケット通信代金の割り引き
「週刊ダイヤモンド」の記事では、若者の携帯代金の滞納を高額なスマートフォンが普及してきたせい、としているが、これには疑問がある。
市販されている端末の平均的な価格を見ると、従来型携帯電話の方が、スマートフォンより高価である。
にもかかわらず若年層が滞納するのは、パケット代がかさむため、と思われる。
従来の携帯電話では月額数百円程度ですんでいた人でも、スマートフォンでは、送受信するデータが大きいため、パケット代が一気に数10倍にふくれあがることも珍しくない。
パケット代がかさむことで、月々の利用料金を支払えなくなり、これに含まれている端末代金も滞納してしまうことになる。
若年層が車や家を買えなくなれば、内需の落ち込みがいっそう加速される。
政府は携帯電話の適正利用を啓蒙するとともに、携帯キャリア各社に対して、パケット料金の値下げを指導すべきだろう。
◆CIC
http://www.cic.co.jp/