核実験なら局地攻撃も
3度目の核実験を計画しているとみられる北朝鮮について、米太平洋軍のロックリア司令官は17日、「あらゆるオプションを考慮している」とコメント。核実験施設がある寧辺などを局地攻撃する可能性を示唆した。
2009年にもミサイル失敗後は核実験
米国および韓国では、先日ミサイル発射実験に失敗した北朝鮮が3度目の地下核実験を行おうとしている、との見方が強い。
2009年4月にも、北朝鮮はミサイル実験を行い、2段目の分離までしか成功しなかった。
直後の5月に地下核実験を行い、かろうじて国威を保った経緯がある。
今回のミサイル失敗を受け、同様のイメージ回復に乗り出す可能性は高い。
食糧支援がないから核実験
先のミサイル発射実験について、国連でも非難声明の採択を巡って、さまざまな動きがある。
北朝鮮と近い中国やロシアも、今回は非難決議に対して積極的に反対する姿勢を見せておらず、一定の距離を置いている。
そんな中でも北朝鮮が核実験を行うのには、独自の理由付けがある。
北朝鮮は今年2月、核実験停止と引き替えに、米国から食糧支援の約束をとりつけている。
ミサイル発射実験を強行したため、制裁として米国はこれを停止したが、北朝鮮側はミサイルではなく「衛星の打ち上げ」とする姿勢を崩していない。
どこの国でも行っている衛星打ち上げは食糧支援停止の理由にはならないはずなので、引き替えに停止した核実験を再開せざるを得ない、という理屈だ。
米朝のチキンレースは一触即発
大統領選を控えた米国側に、こういった北朝鮮の「屁理屈」を飲む余裕はない。
自国民に対して「強面ぶり」を見せなければならない事情は、オバマ大統領も金正恩と似通っている。
今回、米軍事関係者が局地攻撃の可能性を示唆したのもその一環だ。現状まだ攻撃にいたるまでの状況ではないが、「核実験を強行するなら攻撃も辞さない」と公表してしまったため、このまま北朝鮮が準備を進めた場合には、米国側の選択肢も狭まっていく。
瀬戸際外交を得意とした金正日政権であれば、米国側の事情をくみ取りつつ、ギリギリの落としどころを見つけたかもしれないが、金正恩政権にその技量は期待しづらい。
チキンレースの結果、どちらも本当は望んでいなかった戦争が勃発する可能性は否定できない。
欧州危機など、世界的に不況が続いていることも、歴史的に何度も世界経済を回復させてきた「戦争」への期待をあおっている、とも言える。
◆中央日報
http://japanese.joins.com/article/593/150593.html