国際シンクタンクが警鐘
世界経済は2030年に破綻を迎える。こんなシナリオを1972年にマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが発表した。国際的なシンクタンク、ローマ・クラブはこのほど、MITの予想は正しいとするコンピューターによる予想を発表した。
複数シナリオで「破綻に一直線」
現在の消費傾向を続け、人口増加が止まらない場合、2030年には世界経済が破綻し、人口の急激な減少が始まる。
1972年にMITが発表した未来予想について、オーストラリアの研究者グレアム・ターナーはこのほど、さまざまな農業生産や出生率などの変数ごとに未来のシナリオを描くソフトを用いて検証した。
その結果、ほとんどのシナリオが2030年までに世界経済の崩壊を予想したという。
救いは環境保護と経済への制限だが
唯一、コンピューターが2030年まで世界経済が安定的に成長する未来を予想したのは、環境保護への徹底的な取り組みを行ったケースだった。これには資源の利用を制限するなど、経済的な制限も含まれる、
ただ、同研究を掲載した「スミソニアン」によると、イェール大学の経済学者だったヘンリー・ワリック教授などがこの「制限」には反対を表明したという。
成長を制限すれば、世界中の何十億という人々が欠乏の中で暮らすことになる、というのがその主張だ。
エコ産業への誘導?
「欠乏」か「破綻」かの選択なら、どちらを選ぶべきか明白に思えるが、ことはそれほど単純ではない。
同研究を主導したローマ・クラブは、ゴルバチョフ元ソビエト連邦書記長や池田大作氏などが名を連ねるシンクタンクだ。
以前から、環境産業への投資をうたっており、一種の利益誘導を行っている、との指摘もある。
◆Popular Science
http://www.popsci.com/science/article/2012-04/new-research-tracks-40-year-old-prediction-world-economy-will-collapse-2030