北朝鮮「ロケット」で得をするのは米国
16日にも予定されている北朝鮮による「衛星打ち上げ」について、同国と親密な関係を持つ中国、ロシアも困惑を隠しきれない。両国の報道に垣間見えるのは、「米国が得をするだけ」という感想だ。
NordNordWestMDシステム配備の理由付けに
ロシアのニュースサイト「The Voice of Russia」は、今回の「衛星打ち上げ」について、「米国のミサイル防衛システム(MD)整備を助けている」と分析した。
沖縄本島や石垣島などへの迎撃ミサイル配備、海上ミサイル防衛の配備は、現状は北朝鮮の弾道ミサイルを対象としている。
だが実際には、米国本土や日本を攻撃可能なミサイルを持つ国は中国とロシアしかないため、この2か国を対象とする軍備増強を促進している、というのがロシア側の見方だ。
日米合同訓練のチャンス
一方、中国のニュースサイト「人民網」も同様の見方を示す。
米国と日本が展開するミサイル迎撃網にとって、今回の北朝鮮ロケット発射は、中国のミサイルに対する最適の訓練になるという考え方だ。
北朝鮮のロケット打ち上げに関しては、国連合意に反するとしながらも、国力ではるかに劣る同国が日米韓に追い詰められたためにとる手段、との見解を示し、日本や米国、韓国に対して、同国に対する対応を変えるよう求めている。
◆The Voice of Russia
http://japanese.ruvr.ru/2012_04_09/71124015/