17年ぶりに配当再開
アップルは19日、配当と自社株買いを発表した。配当金の支払いの再開は17年ぶりになる。発表によれば、アップルは、
12年7月1日から始まる2012年度第4四半期中に1株当り2.65ドルの四半期配当金の支払を開始する
という。また、9月に始まる2013年度から100億ドルの自社株買いを開始する。自社株買いは、
従業員への株式の授与および従業員持株プログラムによる株式の希薄化の影響を中和させること
が目的だとしている。
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marcopako ]
アップルファンには不安な方針転換?
cnet Japanによれば、アップルの保有する現金は1000億ドル(約8兆3000億円)。創業者のひとり
故スティーブ・ジョブズ氏は配当を行わない方針であったため、投資家にとっては、この巨額の現金の使途は常に問題だった。cnet Japanは、
「配当金の支払いにおいてAppleは、株主からの大きな圧力に屈した企業のもっとも新しい例となった。」
と伝えている。
故ジョブズ氏は単なる起業家以上の強いカリスマ性を持っていた。熱狂的なアップルファンは、ジョブズ氏亡きあとのアップルがどうなるのか、少なからず懸念している。
今回の配当再開はジョブズ氏の方針からの大きな転換となった。音楽評論家・渋谷陽一氏は自身のブログにおいて、
(アップルの現状では配当は普通のことだが)この普通への大きな一歩が、アップルをどう変えるのか、僕は少し心配。
と記している。
アップル プレスリリース:Apple、配当および自社株買いの開始計画を発表
http://www.apple.com/jp/pr/library/2012/03/19Apple-Announces-Plans-to-Initiate-Dividend-and-Share-Repurchase-Program.htmlcnet Japan:アップル、配当金支払いと100億ドルの自社株買い戻しを発表
http://japan.cnet.com/news/business/35015316/渋谷陽一の社長はつらいよ
http://ro69.jp/blog/shibuya/