今年10月にもスタート
8日の衆院本会議で2012年度税制改正法案が可決された。自民、公明などが賛成に回っており、月内にも成立する見通し。この中には二酸化炭素の排出抑制を目的とする環境税の導入も盛り込まれている。
物価上昇は必至
今回導入された環境税は、原油や液化天然ガスにかかる石油石炭税に上乗せ課税するもの。税収は再生可能エネルギーの普及など、地球温暖化対策に使われるという。
現在、原油価格は高騰を続けている。国内では、原子力発電所がすべて停止していることから、火力発電に対する依存度が高まっている。
こういった状況下で導入されれば、物価の高騰は必至だ。
効果はたった1%
実はこの環境税の効果について、国立環境研究所では試算を発表している。それによると、2020年になっても、1990年と比較して、わずか1%しか温室効果ガスは削減されないという。
鳩山元首相の唐突な宣言で有名になったが、民主党にはもともと2020年に1990年との比較で温室効果ガスを25%減らす、というマニフェストがあった。
国民にさらなる負担を強いて、やっと1%の削減は達成できそうだが、残りの24%をどうするのか、ビジョンは見えてこない。
政治的駆け引きで賛成した自民党、とりあえず名前がエコなら賛成する公明党も含めて、国民のポケットに手を突っ込む課税には、もう少し慎重であってほしいものだ。
◆国立環境研究所
http://www.nies.go.jp/