震災翌日に「炉心溶融も」との見解が明らかに
東京電力福島第1原発の事故から5か月になるのを前に、経済産業省
原子力安全・保安院の寺坂信昭院長が10日、記者会見し、震災翌日の3月12日の時点で放射性セシウムを検出していた事実があり、
メルトダウン(炉心溶融)に近い状況が起きている可能性を認識していたことを明らかにした。
当時広報担当だった審議官が、炉心溶融の可能性を示す発言の直後に交代した経緯があり、寺坂院長の認識が注目されていた。
事故後の対応については明確な回答を避ける
また、事故後の対応について、現時点で事故収束に至っていないとの見解を示し、安全当局として謝罪すると発言。今後は政府の事故調査・検証委員会で引き続き作業が進められると述べるにとどまり、明確な回答を避けた。
「
緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)」のデータ公表が遅れたことについては、報道発表の少し前に知ったと弁明。また、事故後、記者会見にほとんど応じなかったことについて各方面から批判が出ているが、その事態については真摯(しんし)に受け止めたいとしている。
「やらせ質問」問題で保安院の寺坂院長が謝罪会見-寺坂院長が記者会見をするのは、4カ月半ぶりのことだった-
寺坂院長は12日付で辞任へ
寺坂院長は、東京電力福島第1原発事故への対応や、国主催の原発シンポジウムでの「やらせ依頼問題」を受け、12日付けで更迭される。
原子力安全・保安院 -経済産業省- 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の計算結果について -原子力安全・保安院-寺坂信昭 - Wikipedia