福島の子どもたちに異変が
お茶や牛肉のセシウム汚染を受け、全国的に農産物に対する不安が広がっている。多くの専門家が低レベルの汚染なので問題がない、と説明するが、福島県では子どもたちに原因不明の症状が広がっている。
6月19日に福島市で開かれた原発の放射能のことで悩むお父さん・お母さんと子ども達の健康相談会では、全国の小児科医のネットワークが記者会見を行った。
その中で福島の子どもたちに鼻血が出る、甲状腺が腫れる、今までにないだるさを訴える、入退院の繰り返しといった症状が広がっている、と発表された。
地元の医師に相談しても、「汚染は低レベルであるため健康被害はないはず」と取り合ってもらえず、「母親のストレスが原因では」と結論づけられてしまうという。
森永ヒ素ミルク事件で、過去に例のない「ミルクを通じた幼児の健康被害」について研究を行った山田医師は、
「低線量の被爆がずっと続く状態は、医師の世界では経験されていない」
と語り、放射線が子どもたちに被害を及ぼしている可能性を指摘した。
「子どもには福島の野菜を食べさせてはいけない」
山田医師はさらに
「福島のものを食べようキャンペーンが地元で起きているが、 子どもには福島の野菜を食べさせてはいけない」
と語った。
全国の小売店などでは、食品の検査態勢が整いつつある。大手スーパーイトーヨーカ堂は、牛肉を納入する業者に対して、全頭検査を求め、暫定基準を下回っていることを確認した上で仕入れる予定。イオングループも、外部機関に依頼して、全頭検査を行うという。
だがそもそも暫定値そのものが、外部被曝の50万倍の危険性がある内部被曝について、検証された上で設定されたものではない。「低線量でも影響が出る可能性は十二分にある」というのが、専門家の考えだ。
マスコミ報道では、セシウムなどの汚染濃度が暫定値を下回る食品について、これを敬遠する動きを「風評被害」としている。
山田医師の発言も、このルールに従えば、「風評被害をあおるもの」となる。実際にはどうなのか、独自に判断する必要がある。

◆MPJ通信 シリーズ原発
http://www.news-pj.net/genpatsu/2011/0620.html