「再生医療」が「高度医療」として承認
名古屋大学医学部附属病院(愛知県名古屋市:以下同病院)は26日、研究を続けてきた患者自身の細胞を培養・移植し、骨の再生を促す「再生医療」技術が、厚生労働省の「高度医療評価会議」で高度医療として承認されたと発表した。
治療期間が短縮されるうえ、合併症リスクも軽減
承認されたこの技術は、患者から骨髄液を採取して培養し、体内で骨を作る「骨芽細胞」の生成を促進させたのち、骨を造りたい場所に戻して骨の形成を促進する技術。
従来の技術では、切断した足の骨に隙間を作り、自然修復でその隙間を埋める方法などがとられてきたが、手術やリハビリを含めた治療期間が1年間以上におよぶケースもあった。この新し技術を併用すれば、治療期間を2か月程短縮できるほか、感染症などによる合併症リスクの軽減も見込まれる。
名古屋大は実用化に向けて動き出す
細胞を使った「再生医療」は、倫理面での配慮などから国が厳しく審査しており、「高度医療」に認定されるのは初めてのケース。今回、認定されたことによって、実用化に向けて動き出したことになる。
骨の成長が止まる「低身長症」などの難病は日本では15,000人に1人の割合で発症するといわれている。こうした人々にとっては治療に光が見えたとも言えるだろう。また、交通事故などで骨の長さが異なってしまった人などにもこの治療法が適用できるという。
名古屋大学医学部附属病院第64回厚生科学技術部会審議会資料 | 厚生労働省培養骨髄細胞移植を併用した骨延長術の概要について -厚生労働省HPより-