「躁うつ病」は「うつ病」と異なる気分障害の1つ
気分の高まる躁状態と気分の沈むうつ状態が交互に起きる「躁うつ病」。専門家は「うつ病」との違いをきちんと認識し、治療することの重要性を訴えている。
東日本大震災の後遺症として今後懸念されている疾患
躁うつ病は「双極性障害」という精神疾患であり、気分障害の1つ。日本人の約100人に1人が発症するといわれるが、最近の研究結果では100人に2~4人とも言われている。発症率に性差はほとんどないが、自殺率は患者の20%前後と精神疾患の中で高いとされている。
躁状態は多忙、睡眠不足といった負荷がかかることでも起きやすい。東日本大震災が今後、躁うつ病発症のきっかけとなることも懸念されている。
また、震災を巡る暴言で辞任した松本前復興担当相も「軽度の躁状態」だったことを、入院中の病院が記者会見で明らかにしている。
治療方法は両者で異なる~サインを見落とさないように
躁状態のサインを見落とし、「うつ病」だと勘違いしてしまうと、適切な治療を受けられなくなり病状は悪化する。うつ病の治療は「うつをよくすること」が治療目的だが、躁うつ病の治療は「躁とうつの波をいかにコントロールするか」が最大の目的である。従って、治療法も異なり、処方される薬も全く違う性質のものである。
症状が少しでもあったら、早めに専門医を受診をし、適切な治療を受けるよう、専門家は呼びかけている。
日本うつ病学会双極性障害委員会 | 日本うつ病学会社団法人 日本精神神経学会(参考)「研修施設名簿」:躁うつ病などで受診する際に