「24日から地デジ化」に不安の声が
地上波テレビの完全デジタル化(岩手・宮城・福島3県を除く)まであと4日。地デジ化されるとFMラジオでテレビの音声が聴けなくなる事態がついにカウントダウンに入った。テレビから音声で多くの情報を得てきた視覚障がい者はいま、不安を抱えている。
視覚障がい者の多くがFMラジオでテレビからの情報入手
アナログテレビの音声は、FMラジオと同じ形式の電波で放送されており、比較的近い帯域が割り当てられている。いずれも「VHF帯」と呼ばれる周波数帯域の電波を使い、同じアンテナで受信することできる。従って多くの視覚障がい者が、テレビの音声も受信できるFMラジオ1台で両方を楽しむことができた。
ところが、アナログ電波が停まってしまうと、FMラジオでテレビの音声を聞くことができなくなる。地デジは周波数帯域が「UHF帯」とアナログと異なるため、ラジオでは受信することができなくなるためだ。
厚生労働省が2006年に実施した調査によると、視覚障がい者の情報入手方法としてラジオを挙げた人は49.3%だったのに対し、テレビは66.0%と最も多かった。この数字をみても、視覚障がい者がテレビからの情報をいかに得ていたかがわかる。
地デジ難民を防ぐ方法はあるのか
新しい技術により、あらゆる分野において役立つ機能の拡大が期待される地デジ化も、視覚障がい者にとっては情報を得る手段のひとつをなくし、知りたい時に知りたい情報が得られなくなる「情報弱者」化を進めてしまうのではないだろうか。
地上デジタルテレビ放送のご案内 -総務省-2006年 身体障害児・者実態調査
表20 障害の種類別にみた情報の入手方法(複数回答)-独立行政法人統計センター-