厚労省が「MDクリニックダイエット」に待ったをかける
厚生労働省は「MD クリニックダイエット」の利用者に対して、服用の中止と医療機関の受診を呼びかけています。
厚労省によると、「MDクリニックダイエット」と呼ばれる製品を服用していた女性が死亡した家族からの問い合わせを受けて製品の試験検査を行ったところ、食欲抑制薬などの医薬品成分が検出されたとのことです。
海外で処方されるダイエット用製品群
MDクリニックダイエットとは主にタイなどの海外の病院で処方される医薬品群の総称で、「ホスピタルダイエット」、「ヤンヒーホスピタルダイエット」と呼ばれることもあります。日本へはインターネットを通じて個人輸入されています。
主に脂肪燃焼、食欲抑制、吸収抑制、排便促進等の錠剤で構成され、エネルギー代謝を活発にして余分な糖質や脂質を体外へ排出することを効能としてうたっています。
特にタイでは美容総合病院が肥満治療薬として処方しており、インターネットでは体重などの自己申告により製品の強度を選ぶ方法が一般的となっています。
日本国内で発生する健康被害
今年4月には溺死した20代女性が薬物中毒だったことが判明し、女性が継続的に服用していた薬の中に「MDクリニックダイエット」が含まれていました。国内の医療機関で処方された精神神経用剤、睡眠導入剤、排卵誘発剤なども継続して服用していたようで、併用の可能性から因果関係が否定できないとのことです。
平成14年以降、「MDクリニックダイエット」に関して健康被害例(疑い)が今回も含めて15件公表されており、うち4件は死亡事例となっています。
厚労省は個人輸入製品には危険な成分が含まれる可能性があるため安易に服用しないこと、「MDホスピタルダイエット」においては服用をすぐに中止し、医療機関の受診を受けるよう呼びかけています。
厚生労働省 - 「MD クリニックダイエット」と称される製品による死亡事例(疑い)の発生について(PDF)厚生労働省 - タイ製やせ薬の個人輸入への注意を呼び掛け