カンヌG20で消費税増税を明言
カンヌで開かれている主要20か国・地域(G20)会議に出席している野田佳彦首相は、消費税の引き上げを明言。国際公約とした。
ギリシャ危機が主な議題となる中、日本にデフォルトの危機がないことをアピールする狙い、ともとれるが、円高対策を進める中、10月31日に行われた為替市場への単独介入を打ち消すことになるのでは、と見る向きもある。
なぜ今、消費税引き上げを国際公約に?
G20で主要議題となっているのは、ギリシャ政府の債務過多であり、その対策だ。そんな中、日本としても財政再建へのルーティンを示す必要性がある、と判断し、消費税引き上げを明言したものと思われる。
「2010年代半ばまでに、段階的に消費税率を10%まで引き上げる」としており、これにより日本政府が抱える累積債務に対して、対外的な不安を払拭する意図があった。
ただ、日本政府は市場最高の円高水準で推移する円について、直近に7兆円あまりの単独介入を行ったばかりだ。
世界各国が日本の通貨を買う理由の1つには、「円が安心な通貨だから」というものがある。欧州危機が懸念される中、最もダメージが少なく、デフレリスクも小さい円が好んで買われている状況だ。
消費税増税により、さらに健全性をアピールすれば、円高への強力な追い風になるのは必至だ。
たった一言で7兆円あまりを無駄にするとしたら、ずいぶん高くつく国際公約である。

◆asahi.com
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