日銀が今年3回目の為替市場介入
10月31日に日銀が単独で行った為替介入について、世界の為替トレーダーたちからは効果を疑問視する声が上がっている。
今回の介入は今年に入って3回目。過去最高値水準で推移し、断続的に75円台をつけていた円が一気に79円55銭まで跳ね上がるなど、一定の効果は見られた。ただ長期的には国内輸出産業が望む水準を保てるか、先行きは不透明だ。
過去2回とどこが違う?
介入の規模について、安住財務相はあきらかにしていないが、市場では7兆円程度の円売りが行われたものと見ている。
8月4日の前回介入では約4兆5,000億円の円売り介入を行った。過去最大の介入額だったが、効果は短期間で薄れた。
政府は10月に介入枠を15兆円増額しているが、今回はその約半分を1日で使ったことになる。
強い危機感がうかがえるが、それでも海外の投資家は「過去2回とさして変わらない」としており、単独介入の効果は限定的との見方が強い。
輸出企業が円高を助長
「ウォール・ストリート・ジャーナル」よると、ウエストパック・バンキング(ニューヨーク)のシニア通貨ストラテジスト、リチャード・フラヌロビック氏は日本企業が海外で得た利益を本国に環流するシステムが原因と指摘している。
環流するためには円を買うため、円高を避けたい輸出企業が円買いの流れに加担している、というわけだ。
こういった要因から、日銀の介入について、「潜在的な負け戦を戦っている」と分析した。
◆ウォールストリートジャーナル
http://jp.wsj.com/Japan/Economy/node_335085