10月31日の今日、世界中で生まれた赤ちゃんは、70億人目とされている。可愛らしい赤ちゃんの誕生に祝福の気持ちを表したいが、今後の人口バランスには暗雲が立ち込めている。
「男性過剰社会」
自然に任せた場合、男女の出生比率は、女性100人あたり男性104人~106人だという。ところが、インドやベトナムでは女性100人に対し男性112人前後、中国では所によって、男性120人前後~130人以上と大きくバランスが崩れている。
これらの不均衡は、男児を優先する伝統や、出生率の低下、出産前の性別選択によるものだ。中国の一人っ子政策も大きな影響を及ぼしているかもしれない。その結果、想定されるのは、一妻多夫制やセックス観光が増える可能性や、少ない女性を巡って暴力や略奪が常態化する「男性過剰社会」の到来だ。
「男性過剰社会」は、国内の暴力を鎮圧して、男性の力を戦争などへ輸出できる独裁政権でのみ統治できると説いている学者もいる。歴史的に見ても、男性が圧倒的に多い社会は居心地がよくないようだ。
今後、人口バランスはどのようになっていくのだろうか。解決が見当たらない現在、まずは実態を把握し、問題を意識することから始めなければならない。
世界人口