ポリオ接種は生か不活化か
ポリオワクチンの接種控えをめぐって18日、神奈川県の黒岩知事と小宮山厚労相の間で、激しいやりとりがあった。
来年にも認可が予定されている不活化ワクチン接種を自治体主導で進める、とする神奈川県に対して、小宮山厚労相は従来接種されてきた生ワクチンを使用するよう指示。不活化ワクチンの使用は望ましくない、述べた。
生ワクチンにはポリオ発症リスク
神奈川県では今年4-6月の生ワクチン接種者が前年同期と比べて21.5%減少している。厚労省が来年にも副作用のリスクが小さい不活化ワクチンを認可する、と見られているためだ。
ポリオワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンがあるが、生ワクチンにはポリオを発症するリスクがあるため、諸外国ではすでに不活化ワクチンへの切り替えが進んでいる。
日本でも来年以降に認可されるものと見られており、保護者の間で接種控えが発生している。
不活化ワクチン接種を望む場合、個人輸入で接種することは可能だ。ただ実際に接種を行ってくれる医療機関を見つけることは簡単ではないこともあり、神奈川県では県内5カ所の保健所で不活化ワクチン接種を行う計画を立てた。
危険だとわかっていて打てるか!
小宮山厚労相は神奈川県の動きに対し、「国民の不安をあおり、接種控えをさらに増加させること」などの理由をあげ、神奈川県の取り組みは「行政上望ましくない」と批判した。
黒岩知事は「危険だと分かっている生ワクチンを打てと言えるか。国がやるべきことは、直ちに不活化ワクチンを認める、それだけでいい」と反論。「皆さん、どちらが正しいか判断してほしい」と述べている。
◆FNN
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00209810.html◆不活化ワクチン使用と生ワクチン使用の国と地域
http://www5b.biglobe.ne.jp/~polio/archive/20101012map.pdf