日経BPコンサルティングは、日経BP環境経営フォーラムと共同で「食の安全・安心ブランド調査」を実施し、2011年9月12日、結果を公表するとともに調査結果報告書を発行・発売した。
調査は、2011年6月22日から2011年7月18日の期間に、インターネット調査で行われ、日経BP/日経BPコンサルティング 調査モニター、日経BP社が運営するネットメディア登録者などを対象に、有効回答数は、21,908件となった。
なお、調査対象ブランドは、食にかかわる「企業」、「商品」、「流通」、「外食」の260ブランド。
調査結果によると、上位は「企業」ブランドが占めており、「サントリー」、「キユーピー」、「カゴメ」、「アサヒビール」、「伊藤園」の順となった。
「商品」ブランドでは、9位に『伊右衛門(サントリー)』、11位に『明治ブルガリアヨーグルト』、14位に『アサヒスーパードライ』、17位に『お~いお茶(伊藤園)』と『キッコーマンしょうゆ』などとなっており、すべて「企業」ブランドも20位内に入っている結果となっている。
「外食」ブランドには、震災以外にもユッケなどの食中毒騒ぎの影響により、また、「流通」ブランドには、産地偽装などの影響が、それぞれ上位に入らなかった原因として考えられる。
また、同調査では、東日本大震災とその後に起きた原子力発電所の事故が、「食の安全・安心」に与えた影響についても調査がなされている。
放射性物質による食品への影響について、「とても不安(40.3%)」、「やや不安に感じる(33.7%)」と、7割以上の回答者が「不安」を覚えており、特に、女性に限定した場合には、「とても不安(47.5%)」、「やや不安に感じる(34.1%)」と、8割以上の回答率に跳ね上がる結果となっている。
また、「震災後に行うようになったこと(複数回答可)」の問いには、「購入する食品の産地や製造場所を確認するようになった(30.9%)」、「東北地方の産品・食品を積極的に購入・飲食するようになった(19.6%)」、「東北地方の産品・食品を購入・飲食しないようにしている(13.8%)」、「食品の汚染を検査している食品やサービスを利用するようにしている(10.4%)」、「震災・原発事故後、外食を控えるようにしている(7.4%)」との回答結果となった。
「安全」とは、物理的側面から客観的に判断されるもので、提供する側がアピールする類のものではなく、「安心」は、そういった利害関係のない第三者の客観的な判断によって、消費者が主観として持ち得る感情ともいえよう。
現状の深刻さを「見ないふり」をして、いまだ収拾への道を模索する福島原発の影響下にある地域の野菜や肉、海産物を流通させている「つけ」は、その当事者が声高に守ろうとする「負担を背負わせさせたくない」子どもたちに、やがては受け継がれていくのだろう。
日経BPコンサルティングリリース