反面教師? スパイ事件解説がネット流出
中国軍高官がこれまで秘密にされてきたスパイ事件について語った講演の様子が、You Tubeなどの動画サイトに投稿された。
中国国防大学で講師をつとめる金一南少将が、大手保険会社、中国人寿保険の社員に向けて行った講義の様子が投稿されたもの。
情報管理の大切さを訴える内容だっただけに、投稿により過去のスパイ事件が公になってしまったことはかなり興味深い。
問題の動画は中国国内ではすでに削除されているが、他国のサイトには残っているという。
日本、米国、韓国にスパイされた!
講演の中で、金少将は8件のスパイ事件について触れた。
2000年に米国に亡命した中国国防省の元渉外局長は指導部の人間性や意思決定などの重要情報を米国に与えた、と糾弾。
韓国では駐韓大使がスパイだったケースを紹介し、「世界を見渡しても、他国のスパイになる大使がいるだろうか」と嘆いた。
このケースでは、あまりに屈辱的なため、体面を保つために大使は別の経済犯罪容疑で終身刑を言い渡されたという。
日本では在日中国大使館で軍の渉外担当がやはり日本側のスパイとして活動。盗聴や大使館内を見せるなどの情報提供を行ったという。
当該人物は2007年に国家機密漏洩の罪に問われ、執行猶予付きの死刑を言い渡された。
情報は巧妙なリークか?
今回の講演では、中国が被害に遭ったケースを紹介しているが、中国が行っているスパイ活動を指摘する声は世界中で急増している。
今年4月には、掃除機などで有名な英電機メーカー、ダイソンの社長が「中国人留学生はスパイ。大学や企業のパソコンにウィルスを残していき、帰国後も情報を盗む」と語った。
中国はサイバースパイも得意としている。25日には米ITセキュリティ企業トレンドマイクロ社が、ブログ上で中国のwebサイトがスパイウィルスを提供している、と告発した。
モバイル端末に蓄えられた情報や、位置情報などを収集し、監視するものだという。

◆中華人民共和国駐日本国大使館
http://www.china-embassy.or.jp/jpn/◆CNN.co.jp
中国軍高官によるスパイ事件の解説がネット流出 日本絡みの件もhttp://www.cnn.co.jp/world/30003836.html