千葉、青梅、奥多摩でも高濃度汚染堆肥見つかる
23日、千葉県で酪農家が作った堆肥から高濃度のセシウムが検出された。堆肥に対する国の暫定基準値は400ベクレル/kgだが、今回は千葉市、銚子市の農場16カ所から500~600ベクレル/kgのセシウムが検出された。
500ベクレル超のセシウムが検出された酪農家では、堆肥に混ぜられた剪定枝から最大968ベクレルを検出。もともと汚染された稲わらを使用した地域、ということで行われた検査だが、汚染源はもはや限定できないことが分かった。
東京では奥多摩超や青梅市の堆肥からやはりセシウム汚染が見つかっている。
汚染された堆肥は全国に出荷されている
今回の検査結果を基に、千葉県では酪農家に堆肥の流通自粛を求めた。あくまで自粛なので、強制力はない。経済的にひっ迫すれば、販売される可能性は高まる。
また、7月には農水省がセシウム汚染された汚泥を堆肥に利用し、全国に流通させることを許可した。
上下水道などに蓄積する汚泥はもともと堆肥として利用されてきた。セシウム汚染が広がる中、利用を一時見合わせてきたが、基準値を設けて許可したもの。
原則的な基準値ですら200ベクレル/kgと非常に高い。特例措置の場合には、1000ベクレル/kgの汚泥も原料として使用できる。農水省ではこれを全国に流通させるという。
東北・関東の農地や農産物、畜産物から相次いで高濃度のセシウム汚染が発見されてきた。今後、汚染は堆肥の流通を通じて、間違いなく全国に広がるだろう。堆肥に産地の表記はないため、これを防ぐ方法はない。
セシウムの半減期は30年を超える。長く殺人的な農産物が作られることになる。だからといって耕作地を放棄すれば、その回復は容易ではない。
日本の農業は終わった、と言えるかもしれない。
◆農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_hiryo/caesium/point.html#gensoku