自らに対する処分をTwitterで公開
福島第一原発事故後、いち早く「汚染マップ」を作成したことで有名な群馬大学の火山学者、早川由紀夫教授が学長からの訓告処分を受けた。12月7日、早川教授自身がTwitterで公表した。
名誉若しくは信用を失墜する行為
訓告の対象となったのはTwitterにおける早川教授の発言。訓告書には下記のように記されている。
貴殿のインターネット上のツイッターにおける福島県の被災者や農家の人々に対する配慮を著しく欠く発言は、運営に要する経費の大部分を国費によって賄われている国立大学の
教員として不適切な発言と言わざるを得ず、「本学の名誉若しくは信用を失墜する行為」を禁止する就業規則の規定に抵触している。よって、今後はインターネット上のツイッターにおける不適切な発言をすることのないようにされたい。以上訓告する。なお、今後、不適切な発言が繰り返される場合は、懲戒処分を含む厳正な対応をとらざるを得ないこととなるので申し添えておく。(訓告書より抜粋)
処分について公開していいか、と問う早川教授に対して、大学側は無言だったという。当該Twitterには3万人以上のフォロワーがいる。
暴言と正論のはざまで
たしかに、早川教授の発言には、いわゆる「毒」が多く、多くの物議を醸してきた。
福島県の農家は、ことしもコメつくるつもりなんだろか。つくったとして、誰が食べるんだろか。
セシウムまみれの干し草を牛に与えて毒牛をつくる行為も、セシウムまみれの水田で稲を育てて毒米つくる行為も、サリンつくったオウム信者がしたことと同じだ。福島県の農家はいま日本社会に向けて銃弾を打ってる。(早川教授Twitterより抜粋)
ただ、多くの学者が国や東電のプレッシャーを受け、「御用学者」へと堕落する中、早川教授の「毒」は正論を守ろうとする気概の発露とも受け取れる。
実際、上記のTweetは、「農家がかわいそう」との非難を浴びているが、「農家には安全な食物を提供する義務がある」とする教授の言葉は正論だ。
国から止められない限り農産物を出荷し続けるのではなく、「危険性のあるものは出荷できない」として東電や国に対して訴訟も辞さず補償を求めるのが正しい有り様だろう。
小規模農家にその対応を求めることは過酷だが、過酷であるが故に正論が異論とされるわけではない。
◆早川由起夫 Twitter
http://twitter.com/HayakawaYukio◆訓告書画像
http://ow.ly/i/mYPM/original