注目される教育改革の行方
大阪府知事選・市長選でダブル当選を果たした大阪維新の会、橋本市長と松井知事による教育改革が注目を集めている。
先進国における子どもの幸せ調査では、教育環境が評価されたオランダが1位に輝いた。
個性を伸ばす方針には共通点も
橋本新市長の掲げる教育改革の中に、「学校選択制」がある。これまで小中学校は居住地を通学区とする学校に通うのが「常識」だった。
学校選択制はこの制約をなくし、希望する学校に通学できるようにする、というもの。子どもたちが個性に合った学校を選ぶことができるようになる。
オランダでは、好きな教科を好きなだけ学べる小学校があるという。幸福度1位を獲得できた要因は、個性を伸ばす教育方針にある。
競争のないオランダ 競争を求める大阪
オランダの子どもたちは、生涯に1度しか入学試験を受けない。小学校の最終学年に全国共通学力試験が行われるだけだ。
その成績により、大学進学、普通、職業専門課の3つの中等教育機関に割り振られる。
一方、橋本新市長は教育現場に競争による淘汰を持ち込むことを信条とする。日本の経済発展が教育によって支えられてきた事情を思えば、正論だろう。
オランダの幸福度にはワークシェアリングによる失業率の低さが根底にあるという。一人あたりの労働時間が先進国の中で最も少なく、男性の育児休業取得率はEU内で2番目の高さとのこと。
ただ、オランダは天然ガスの輸出国であり、石油も産出する。そもそも日本とは経済的な基盤が異なる。「人」に求められる能力、労働の負荷にも違いがある。
競争のぜひを論じる際には、こういったことを踏まえた上で、子どもがどこまで「幸福」であるべきか、考える必要がある。
◆オルタナ
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