玄海原発1号機、定期検査のため停止
佐賀県玄海町にある九州電力玄海原子力発電所1号機が1日、定期検査に入った。
同原子炉は建設から36年が経過しているが、想定以上の劣化が進んでいることから、廃炉が検討されている。
劣化は予測をはるかに上回る
経済産業省原子力安全・保安院は29日に老朽化した原子炉の対策を協議する小会合を開いた。
出席した井野博満・東大名誉教授は「予測をはるかに超えた劣化が進んでおり、玄海1号機は廃炉にすべきだと思う」と述べた。
原子炉は鋼鉄製の圧力容器で密閉されている。容器は高レベルの中性子線にさらされるため、時間とともに脆化が進み、壊れやすくなる。
容器の周辺にあらかじめセットされた検査用のピース(鋼鉄片)を回収して、脆化の度合いを検査したところ、玄海原発1号機の劣化は、当初想定されていたよりはるかにひどいことがわかっている。
脆化が進むと、停止作業時にも爆発の危険があるという。
「やらせメール」の九電も打つ手なし?
九州電力では、再三安全性をアピール。やらせメール問題などを批判される中、地元の理解が難しいと見るや、「地元の同意は不要」と発言。11月4日には福島第一原発事故以来国内で初めてとなる原発の再稼働に踏み切った。
ただこのとき再稼働された玄海原発4号機は、今月25日に定期検査のため停止する。九州の原子力発電は、これで稼働0になる。
◆九州電力 玄海原子力発電所
http://www.kyuden.co.jp/genkai_index.html