推理が外れると人は笑う
人は多くの行為や感情を他の動物と共有するが、笑うことができるのは人間だけだという。
その笑いのメカニズムについて、米の研究者は「笑いは推理の間違いを見つけたご褒美」という新しい説を発表した。
人生は「間違い探し」の連続
研究論文をMITPressから書籍として発表したのはマシュー・ハーレー氏。
同氏によると、人は日常を合理的にすごすために、たえず多くの推理を立てているという。これにより、物事を簡略化し、他社の言動について批判や洞察を行い、合理的な判断を下している。
ただ、推理のもととなる情報が多くの場合、不完全であり少ないため、推理には多くの間違いが含まれる。
この間違いを発見し、ただすことで大きな失敗をまぬがれているのだが、「発見」に対するモチベーションを維持するために、快感である「笑い」というご褒美が得られるようになっている、とのこと。
寝台車のジョーク
一例として、同論文を紹介するThe Boston Globeの記事は寝台車で初めて会った男女のジョークを紹介している。
深夜、女性が男性に語りかける。
女性:「すみませんが、寒いので毛布を一枚とってきてもらえませんか?」
男性:「もっといい考えを思いつきました。今夜私たちは結婚しているふりをしませんか?」
女性:「(クスクス笑いながら)いいですよ」
男性:「素晴らしい! それでは自分で毛布をとってこい」
オチの手前で、多くの人は誤った推理を行う。オチを読んで間違いを発見し、これをただす際に、褒美として笑いを得るというわけだ。
◆ニューヨーク・タイムズ
http://www.bostonglobe.com/ideas/2011/11/20/why-our-brains-make-laugh/l0OWxVcnRpzfyIheFgab5N/story.html