心房細動患者は全国83万人
日本ベーリンガーインゲルハイム社は4月21日、心房細動患者の予防意識について、調査結果を発表した。
不整脈の一種である心房細動は、心臓の心房が不規則に細かく震動する病気。検診時に確認されるだけで、日本全国に83万人の患者がおり、高齢になるほど発症する確率が高くなる。動悸や胸部の痛み・違和感、めまいなどが主な自覚症状とされている。
発症すると1年以内に半数が死亡
心房細動は脳梗塞と高い関連性を持つ病気である。心臓内からうまく血液が送れないため、血栓ができやすく、左心房で形成された血栓が比較的太い脳内の血管に詰まることで、重篤な脳梗塞を引き起こすことがある。
心臓に原因がある心原性脳塞栓症を発症した患者のうち、約7割がこの心房細動を発症していた、というデータもある。また、重篤な脳梗塞を発症することが多いため、心原性脳塞栓症は予後が悪く、発症後1年以内に半数の患者が死亡している。
一命を取り留めた場合も、重度の障害を負うことが多く、その後の生活には介護を要する。
患者の多くがリスクを知らない
日本ベーリンガーインゲルハイム社の調査では、患者の1/3が心房細動と脳梗塞の関連性を知らないことが判明。一方、世界で治療に当たる医師の7割はこのリスクを強く認識しており、脳卒中予防が治療の主目的と考えている。
心房細動患者を対象に、予防治療の重要性について、いっそうの教育が必要、とレポートされている。
※ベーリンガーインゲルハイムはドイツに本拠を置く製薬会社。
著:ハッピーライフエンド編集長 谷垣吉彦
◆ベーリンガーインゲルハイム◆社団法人 日本脳卒中協会