死亡診断書なしでも死亡保険金を支払う
東日本巨大地震に際し、大手生命保険各社は、遺体が見つからない行方不明者についても、死亡したと見られる場合には死亡保険金を支払う方針を発表しました。
通常、死亡保険金の支払いには、病院などが発行する死亡診断書が必要となります。今回の震災による行方不明者数は1万6000人超。現場の状況から、遺体が見つからないケースも多数発生すると予想されるため、生保各社では、支払い条件の変更を判断しました。
災害時の「免責」も不適用?
保険金の支払いには、一般に免責事項が設けられています。地震や火山の噴火、津波など、自然災害によって生じた損害については保険金が支払われない、という条項です。
1993年に起きた北海道南西沖地震や、1995年に発生した阪神淡路大震災では、損害保険会社が火災保険の災害免責を適用。保険金は支払われていません。
今回、生保各社はこの災害時の免責を適用せず、死亡保険金や給付金を全額支払う、と発表しました。
保険内容がわからなくても大丈夫!
証書などが失われてしまい、どんな保険に加入していたのかわからない被災者も多いものと見られます。生命保険協会では、「被災者契約照会制度(仮称)」の創設。加入の有無や契約内容を照会できるシステムを設ける予定です。
その他、保険料払い込みの猶予や、保険金支払いの迅速化など、被災者の生活を保護する配慮を次々に発表しています
編集長 谷垣吉彦
◆社団法人 生命保険協会 http://www.seiho.or.jp/data/other/110312disaster/index.html