余命半年の患者からがんが消えた?
スイスの製薬会社ロシュ・ホールディングと第一三共製薬が共同開発した悪性黒色腫(メラノーマ)治療薬の新薬承認申請が欧米で出された。「PLX4032(一般名:ベムラフェニブ)」と呼ばれるもの。
6月6日づけのブルームバーグによると、余命6~8カ月と診断されていた患者が、同薬の投薬により、肺や肝臓で腫瘍が検出できないほどの縮小が見られたという。
主治医であるカリフォルニア大学の腫瘍専門医アントニー・リバス氏は、さまざまな薬と組み合わせる新しい治療法によって、今後5~10年のうちに、進行したメラノーマ患者の生存期間が2倍程度に増えるものと見ている。
日本人でも増加する悪性黒色腫
悪性黒色腫はメラニン色素を作る皮膚細胞ががん化したもの。転移を起こし、致死率が高いことで知られている。
白色人種では年間、10万人あたり15~20人発症するとされている。日本人の年間発症患者は10万人あたり1.5~2.0人とされており、圧倒的に少ないが、近年は増加傾向にある。
一般的に紫外線と関係が深いと言われており、足の裏にできるものについては、靴などと擦れる機械的な刺激が原因になる、と言われる。
見つけ方は「ABCDE」
一見、ホクロに見えることもある悪性黒色腫だが、日本人の場合、次の5ポイントをヒントに見分けることができる。
①いびつな形(Asymmetry:非対称)
②輪郭が不明瞭(Border:輪郭)
③色調が不均一(Color:色)
④長径が6mm以上(Diameter:径)
⑤病変部の盛り上がり(Elevation:隆起)
それぞれの頭文字をとって、ABCDEがヒントになると言われている。
著:ハッピーライフエンド編集長 谷垣吉彦◆第一三共株式会社
http://www.daiichisankyo.co.jp/◆独立行政法人国立がん研究センター
がん対策情報センター
http://ganjoho.jp/public/cancer/data/melanoma.html