県内873ある会員企業に対して要請
障がい者や高齢者の雇用促進事業を目的とした「社団法人 埼玉県雇用開発協会」(以下:同協会)は26日、さいたま会館(さいたま市浦和区)で第35回通常総会を開き、障害者雇用の法令順守に関する決議を行った。県内およそ873の会員企業に対して、障がい者雇用で改善が見られないとして社名公表された企業との取引の再検討を要請することなどが決められた。この取り決めがなされたのは全国でも埼玉県がはじめて。
「企業名公表」~公表を前提とした特別指導を実施しない企業に対しての最終手段~
厚生労働省による障害者雇用促進法では、民間企業に対して法定雇用率1.8%以上の障がい者の雇用を義務付けている。雇用率未達成企業に対して勧告や行政指導を行ったにも関わらず、改善が進まない場合はその企業名を公表している。
全国の企業名公表数は平成13年度からの累計で延べ30社。うち、再公表は4社に上っており、近年では増加の傾向にある。埼玉県内でも公表対象となる企業が現れる事態に至っており、平成22年度には法令を守らない1社が再公表されたばかり。
埼玉県内の障がい者雇用率は全国42位
埼玉県における障がい者の実雇用率は1.59%(平成22年6月1日時点)と法定雇用率を大幅に下回り、全国42位と低迷。同協会は関係機関と連携しながら、障がい者の雇用促進に努めているが、障がい者を雇用するノウハウの不足も否めない。
なお、同協会の小島会長は、埼玉県内で公表事例が出たことに遺憾の意を示しており、今後、法令を守らない企業に対しては確固たる意思表示をしていきたいとしている。
社団法人 埼玉県雇用開発協会