今回の会議では「東日本大震災」を受けて災害時の支援体制などのテーマが中心に
内閣府の「障がい者制度改革推進会議」は23日、32回目の会合を開き、地震や津波などの災害時における障がい者への支援などについて議論が行われた。
災害時における支援については、当初推進会議発足時には予定されていなかったテーマだが、3月11日に発生した東日本大震災を受けて集中的に議論する機会を設けるに至った。
被災した障がい者のうち、犠牲となった割合は健常者の2倍との結果も
会議の冒頭で会議担当室の東室長は、東日本大震災で被災した東北沿岸部の在宅障がい者について、障がい者関連の27団体から受けた報告を集計して、その結果を公表した。
あくまで目安の数値であるが、岩手、宮城、福島の3県にある37市町村で被災した在宅の障がい者約9,000人を調査した結果、亡くなった方は107名、また、行方不明者は127名と合わせて全体の約2.6%が犠牲となっている。健常者における犠牲者の割合は1%程度だという。さらに、今後も支援が必要と思われる障がい者は1,800人以上いるという結果がでている。
情報共有には個人情報保護法が壁に
この日の議論では、行政や障がい関連団体の間で、被災した障がい者の情報を共有する上で、個人情報保護法が弊害になっているとする指摘が多く出た。委員のなかからは、ドクターカーで被災地に行っても、他団体から障がい者名簿をもらえない問題が起きたので、個人情報保護との関係を議論してもらいたいとの声も上がった。
一方で、福島県南相馬市が情報公開法に基づいて障がい者の名簿を開示し、各NPO団体などと連携している例が発表され、人員的にも余裕がなく、障がい者の安否を確認しきれない行政から、各障がい者団体に協力を呼び掛けるという形が必要であると提言があった。
会議担当室の東室長は、今回起きた震災の影響が一定の落ち着きを見せたら再度議論したいとしている。
障がい者制度改革推進会議について政策統括官共生社会政策担当 障害者施策(内閣府)