京大教授らが発見!難病 筋ジスを改善させる化合物
5月11日付けの英科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」(電子版)の発表によると、難病、筋ジストロフィーの原因となる遺伝子異常を読み飛ばし、筋肉の修復を促す分子化合物を、京都大大学院医学研究科の萩原正敏教授と神戸学院大総合リハビリテーション学部の松尾雅文教授が共同研究で発見したという。
萩原教授らは、神戸大病院で治療を受けている5歳の男児から細胞を採取し、低分子化合物のリン酸化酵素阻害剤を注入したところ、突然変異した(エキソン/エクソン)を読み飛ばし、ジストロフィンを生成させることに成功したという。
この成果は薬物治療にも期待できることから、筋ジストロフィーに苦しんでいる患者には朗報である。
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実用化されるには製薬会社の協力も・・
筋ジストロフィー(筋ジス)とは、筋肉に必要なジストロフィン遺伝子の機能不全が原因でおこる遺伝性筋疾患の総称である。
同病は、アミノ酸配列の情報(エキソン/エクソン)を有する部位に突然変異がおこり遺伝子の読み取りがうまくできなくなることから、筋肉が次第に衰えていくという病気である。
この病気の遺伝子は解明され、不足している蛋白質もわかっているが、残念ながら根本的治療法がないのが現状だった。
今回は、このデュシェンヌ型筋ジストロフィーの原因となる遺伝子情報を修復を促す分子化合物の発見で、同教授も「臨床研究の形であっても、数年以内に患者に投与できれば」と話している。
しかしながら、
「遺伝病に薬物治療ができる可能性がでてきたが、薬剤につなげるためには製薬企業の資金力が必要になる」
とも。
筋ジストロフィー治療薬の実用化には企業の協力も必要である。
京都大大学院医学研究科
http://www.med.kyoto-u.ac.jp/J/神戸学院大総合リハビリテーション学部
http://www.kobegakuin.ac.jp/rehabili/index.html産経ニュース