70歳以上のインターネット利用が急増中
5月18日に総務省が発表した資料によると、70歳以上のインターネット利用が急増している。70~79歳の層では、2008年27.7%だった利用率が2010年末には39.2%と4割以上も増加。80歳以上でも14.5%から20.3%へと4割増えている。
調査は2010年末の情報機器利用状況を総務省が世帯および企業を対象に行ったもの。70歳未満の年齢層では、ほぼ横ばい状態であるため、高齢者のインターネット利用の増加が際だつ結果となった。
高齢者はネットの危険性に気づいていない?
「インターネット利用の際に受けた被害」について行ったアンケートでは、全体では55.9%が「何らかの被害を受けた」としている。ウイルス感染やスパイウェア、迷惑メールの受信などが主だ。
70~79歳を世帯主とする家庭ではこういった「被害にあった」と答えた方が37.5%、80歳以上では38.2%となっている。ヘビーユーザーが少ないため被害にあわない、とも思われるが、実際には被害にあっているが気づいていないだけ、という可能性も高い。
「ウィルスや不正アクセスに対して何らかの対策を導入している」と答えた方は、全体では71.3%にのぼるが、70~79歳を世帯主とする家庭では46.8%、80歳以上が世帯主の家庭では、37.1%にとどまる。インターネットに危険な部分がある、と認識している方は少ない。
外出しなくても、他人とコミュニケーションがとれる、あるいは簡単に情報を得ることができるなど、高齢者にとってインターネットの魅力は大きい。今後さらに利用者の増加が見込まれる中、危険性についても知識を広める必要がある。
著:ハッピーライフエンド編集長 谷垣吉彦◆総務省 22年度通信利用動向調査結果