■憲法改正の動き
2011年4月28日、超党派団体である「
新憲法制定議員同盟」は同日開催された大会で、新憲法に
非常事態宣言を盛り込む決議を行った。また、27日には、
自民党の
憲法改正推進本部も改憲案に非常事態宣言を盛り込む方針を確認している。
以前から問題となっているのは、日本国憲法には「非常事態の規定がない」ということである。
非常事態になった場合に、総理大臣に緊急命令権を与えるという提言はかなり以前より再三なされているものである。特に、東日本大震災に続く福島第一原発事故により、改憲派からは非常事態既定のない日本国憲法の欠陥を指摘する声が大きくなっている。
■憲法注目ランキング
ちなみに日本国憲法の条文全てをGoogleで検索し注目度を調べるのはさすがに難しい。そこで、前文と章別の検索を行ってその検索件数のランキングを出してみた。これから注目度を類推してみよう。
【Google検索件数のランキング】
1位:1章 天皇(1条から8条)……………………1,060,000 件
2位:2章 戦争放棄(9条)………………………… 966,000 件
3位:3章 国民の権利及び義務(10条から40条)…904,000 件
ちなみに、上記で1位と2位となった憲法1条から9条までのランキングでは、
圧倒的に9条に注目が集まっていることが分かる。
1位:9条……3,030,000 件
2位:1条……1,130,000 件
3位:2条……1,090,000 件
■憲法9条ばかりではない
憲法改正というとどうしても9条がクローズアップされることが多いが、現行憲法を金科玉条のものとして、改正の議論すら許さないという空気はかなり薄まってきているようである。時代に即した柔軟な対応が必要であるのは言うまでもない。
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Amazon戦前の「
大日本国憲法」においても大きな欠陥があった。そのことが結局亡国につながったする声も多い。元老院の力の衰えともに、統帥権を輔弼(ほひつ)する軍の暴走を止めることが出来なくなってしまったのである。当時も今も憲法をドグマとして議論の俎上(そじょう)に挙げることすら拒む勢力も多い。今後は、より柔軟な考え方も必要なのではないだろうか。
日本国憲法 - Wikipedia