高齢者医療制度の負担重く
大企業の会社員が加入する
健康保険組合(注)が相次いで保険料を引き上げる。これは、高齢者医療制度に拠出している支援金の負担が重いためで、引き上げは1,447ある組合の約4割に上る。支援金は、中小企業向けの健康保険である全国健康保険協会(協会けんぽ)、市町村などの自治体が運営する国民健康保険、公務員共済など全健康保険が負担しているが、相対的に加入者の年収が高い大企業ほど負担増となっているのが現状だ。
(注)健康保険組合・・・各企業単独または同業者による組合で設立され、保険料は、原則として労使折半(企業と従業員が折半)で負担する健康保険。
全体では6,089億円の大幅赤字
健康保険組合全体での23年度の経常収支は、経常収入6兆5,492億円、経常支出7兆1,581億円で過去最悪だった22年度予算に次ぐ6,089億円の大幅赤字となる見込み。22年度予算に比べ赤字額は下回ったが、保険料率引き上げ等によるものであり、健保組合財政は依然として厳しい状況が続いている。なお、赤字組合は前年度比2組合減の1,292組合となり、約9割の組合が赤字の状況である。
健康保険組合連合会
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