借金の相続にはもう少し考える猶予が
16日の国会で、震災被害者遺族について相続放棄の期限を11月までとする法案が可決された。
相続では財産も負債も同時に相続することとなる。負債の方が多い場合など、相続を放棄することで、遺族は負債を負わなくてすむが、この手続きは死後3カ月以内に行われる必要がある。
東日本大震災の被災地に限って、この3カ月の期限を11月までに延長する、とした特例法案を民主党が提出。15日の衆議院法務委員会で可決された。
3カ月での判断は難しい
3月に発生した東日本大震災では、多くの家屋が津波で流された。書類なども紛失しており、故人の財産について、概要を知ることが難しい状況となっている。負債について知らないまま相続すれば、多額の借金を背負うことにもなりかねない。
6月11日ですでに震災から3カ月が経過している。相続放棄の手続きがとられていない場合、これまでであれば自動的に負債ごと相続することになる。特例法の対象者は東日本大震災で災害救助法が適用された市町村の被災者。法律施行前に3カ月が経過したケースも対象となる。
著:ハッピーライフエンド編集長 谷垣吉彦◆日本弁護士連合会
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/110607.html