中国富裕層の患者誘致へ「新成長戦略」
菅内閣は「新成長戦略」の一環として、外国人の病気治療や、健診を目的とした来日を促すための「医療滞在査証(ビザ)」の新設を16日に決定した。
これは、治療目的の外国人の渡航回数や滞在期間などの規制を緩和するもので、中国など富裕層の患者の誘致が狙いだ。決定に関しては、17日に前原誠司外相によって発表される。
これまで治療目的での来日の場合、「短期滞在」または「特定活動」ビザでの入国が可能であったが、入国が原則で1回しか認められず、家族などの同伴も認められなかった。
医療滞在ビザでは、有効期間が最大3年に延長され、1回で最長半年の滞在が可能となり、1回の滞在期間が90日以内で、ビザの期限内であれば、何度でも来日が可能となる。さらに、同伴者にも条件の同じビザが認められ、親族以外の同伴も可能となる。
先行する韓国・シンガポールより良い条件に
医療滞在ビザの新設も含め、外国人患者の受け入れ体制の整備は、菅内閣による「新成長戦略」の一環で、「アジアの裕福層らを対象に、医療および、関連サービスを観光とも連携していく」ねらいだ。
新設される医療滞在ビザは、韓国やシンガポールなど、外国人患者の誘致で先行している国に比べ、条件が緩やかになっており、外務省は「後発国としてより魅力的な条件で間口を広げたい」と考えている。
厚生労働省も、言葉の問題や、食事や生活習慣に対応できる、医療機関の認証制度を新たにつくるなど、外国人患者にとって、より医療を受けやすい環境整備を検討し始めている。
asahi.com『医療滞在ビザ新設へ 中国などの患者誘致へ「成長戦略」』
http://www.asahi.com/politics/update/1216/TKY201012160576.html