スリー・マイル・アイランド原発事故
炉心溶融事故。1979年3月28日米国ペンシルベニア州スリー・マイル・アイランド原子力発電所で起きた事故。冷却材の喪失から炉心溶融に至った典型的な事故。2大原発事故のうちの一つ。チェルノブイリ原発事故よりはるかに小さな事故。
スリー・マイル・アイランド原子力発電所は米国ペンシルベニア州にある原子力発電所。1号炉と2号炉からなる。
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Download the blank maps 事故のプロセス
事故の発端は2号炉の2次冷却水のポンプの異常停止。結果1次冷却水の圧力が上昇、原子炉停止、圧力逃がし弁が開き蒸気を逃がした。しかしこの弁が自動的に閉まらず、1次冷却材がなくなり緊急炉心冷却装置が自動的に働いた。
一方、加圧水の水位計は満水を表示、運転員はこの水位計をみて炉内も満水と勘違いして原子炉への注水を止めてしまった。結果冷却水が沸騰、炉心は冷却不能となり炉心溶融が進み小規模な水素爆発が起きた。
放射能が外部に放出され最初は南西、次に北および北西へ流れた。
事故発生の2日後の30日午後0時30分、ペンシルベニア州知事は原発から8km以内に住む妊産婦、学齢前の子どもと乳幼児に避難勧告を出し、8〜16kmの住民に外出を控え戸や窓を閉めて家にいるよう勧告。
事故炉からの放射能漏出は事故発生から12日目の4月9日に止まり、避難していた約2万3000人が自宅に戻った。
原発周辺住民の中には癌患者や癌による死者、甲状腺障害の患者、流産・死産などが多く発生した。約2000人が電力会社に対して損害賠償請求訴訟を起こし1994年7月から裁判が行われている。
後の調査で炉心の半分以上が溶融して大規模な水素・水蒸気爆発が起こる一歩手前の状況だったことがわかっている。
福島原発との比較
スリー・マイル・アイランド原発事故の原因は冷却水の不足。冷却水の不足で炉心溶融がおきた。今回の福島原発の原因も冷却水の不足。これらの点が共通点。
事故がおきた段階で原子炉の活動が停止、冷却水不足、炉心溶融という点でほぼ同じタイプの事故と考えられる。これに対しチェルノブイリ原発事故では事故後も原子炉の活動を停止出来なかった。
以下スリー・マイル・アイランド原発事故の時系列の記録。
1979.3.28 1979年3月28日スリー・マイル・アイランド原子力発電所で事故発生。
1979.3.30 事故発生2日後の30日午後零時30分州知事が原発から8km以内に住む妊産婦、子ども、乳幼児に避難勧告。8〜16kmの住民に外出を控え戸や窓を閉めて家にいるよう勧告。
1979.4.09 放射能の漏出は事故発生から12日目の4月9日に止まった。避難していた約2万3000人が自宅に戻った。
1994.7.01 1994年7月から裁判が行われている。
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http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/fukushima_nuclear_plant/?1300225935