官民共同の投資ファンドである産業革新機構は6日、日本初の知的財産ファンド「LSIP」(エルシップ)を今秋に設立すると発表した。
ライフサイエンス分野に特化し、大学や公的研究機関に未利用のまま眠る知財を買い取って医薬品業界にライセンス供与するもので、日本では初めてとなる。
これまで高いレベルを持っていても、事業化に結びつけられなかった日本の研究成果を生かし、経済成長につなげるのが狙いで、知財の海外流出を抑える効果とともに、大学側も新たな研究資金として活用が可能となる。
4分野対象に知的財産戦略ネットワークが運営
LSIPの運営は、大手製薬企業の知財戦略の第一線で活躍してきた専門家を中心メンバーとする、「知的財産戦略ネットワーク」が行うとのこと。
産革機構の出資は最大10億円で、武田薬品も数千万円出資するほか、アステラス製薬なども出資を検討しているという。
買い取りの対象となる特許権は、バイオマーカー、ES/幹細胞、がん、アルツハイマーの4分野が対象で、特許の集約・補足により価値を高めた上でライセンスし、革新的な技術の実用化やベンチャーの創出を通じたライフサイエンス産業の発展につなげるとしている。
産業革新機構
http://www.incj.co.jp/知的財産戦略ネットワーク
http://www.ipsn.co.jp/