医療機関ではない場所で心臓発作を起こした人がでた場合、たとえ素人でも心肺蘇生法(CPR)を施せば回復の可能性は高まり、しかも、人工呼吸をせず胸部圧迫だけを続けたほうが効果が高い、という研究結果が、米国医師会の雑誌「Journal of the American Medical Association」10月6日号で発表された。
胸部圧迫のみでも効果大
今回の研究では、2005年1月から2009年12月の間に、医療機関以外の場所で心臓発作を起こした18歳以上の4415人を調査。その場に居合わせた、医療従事者ではない人がCPRを施した場合の予後を調査した。対象者の内訳は、CPRを受けなかった人が2900人(65.7%)、人工呼吸を伴うCPRを受けた人が666人(15.1%)、胸部圧迫のみのCPRを受けた人が849人(19.2%)だった。
調査の結果、退院できるまでに回復した人の内訳は、CPRを受けなかった人5.2%、人工呼吸を併うCPRを受けた人7.8%だったのに対し、胸部圧迫のみのCPRを受けた人は13.3%と、胸部圧迫のみのCPRが最も良い結果だったことが分かった。
研究に参加したアメリカ・アリゾナ州保健局のベントレー・ボブロー(Bentley Bobrow)氏によると、CPR実施中、胸部圧迫の中断を少なくしたほうが結果が良いことを示す事例が増え、医療従事者が発作を起こした人に施す対処法も変わってきているという。
Journal of the American Medical Association
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/full/304/13/1447