iPhoneの販売不振に様々な推測
なぜiPhoneの販売が他市場で好調であるにもかかわらず、中国では精彩を欠いているのか、と不思議に思う人は多いだろう。
ある人は、中国でのiPhoneの公式機種発表が非常に遅れたことが原因だと考えている。また、iPhoneの価格が高いからであるとか、中国版のiPhoneがワイヤレスインターネットを備えていないからであるといった意見もある。
CMRの調査が明らかにした要因とは
しかし、中国市場調査グループ(CMR)が中国で22歳から32歳までの2,000人のモバイルユーザーを対象に実施した最近の調査によると、iPhoneの中国での売れ行き不振の原因は、対象層が2年契約と3G契約に積極的でないことと、アップルのパートナーであるチャイナ・ユニコム(中国連合通信)の評判の悪さによるところが総体的に大きいことが分かった。
CMRによると、中国でiPhoneを希望する人が非常に多い一方で、チャイナ・ユニコムを利用している人は回答者の10%以下であった。
また、回答者の大部分はチャイナ・ユニコムのサービスに不満を持っているという結果が出た。対照的に回答者の95%が、競合するチャイナ・モバイル(中国移動通信)がより安定しており、国内を移動した際の受信可能範囲も広いと感じていた。
中国市場の特性
CMRの社長であるシャウン・レイン氏は次のように話す。
「モバイルユーザーが持つこういった意識は、アメリカでのiPhoneの発売時にはあまり考慮されなかった。なぜならアップルはATandTと独占契約を結んでいてユーザーには他の選択肢がなかったからだ。
しかし、中国の場合はiPhoneについてもグレーマーケット商品が早速出回っており、チャイナ・ユニコムの正規品を購入しようという気になりにくいからだ。」
また、CMRは回答者の80%が月契約のサービスよりプリペイドサービスを利用しており、今後3年は変更する計画がないと回答している。
チャイナ・モバイルは、自社でもiPhoneを取り扱えるようアップルと交渉していることを公表している。しかし、3Gサービスを提供しようとすれば、現行の機種ではチャイナ・モバイルのネットワークとの互換性を持たせるためには再設計が必要となり、アップルは可能性についてコメントを出していない。
Why iPhone Hasn’t Sold Well in China
http://blogs.wsj.com/digits/2010/05/20/why-iphone-hasnt-sold-well-in-china/China Market Research Group(CMR)
http://www.cmrconsulting.com.cn/China Unicom(中国連通)
http://eng.chinaunicom.com/China Mobile(中国移動通信)
http://www.chinamobile.com/en/mainland/