航空機の設計開発を担う人材確保
名古屋大が、航空機の設計開発者育成を手掛ける専門組織「航空宇宙技術教育センター」(仮称)を2012年にも開設することが分かった。産学官連携の一環で、航空機関連の部品製造や加工を手掛ける中小企業社員らを対象にした講座を展開。中部地方に集積する航空宇宙産業のすそ野拡大を後押しする。
中部は航空機・部品生産額の全国シェアがほぼ5割を占める。さらに今後は、国産初の小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」やボーイングの新型機787の量産が見込まれ、設計や開発を担うことができる人材の確保が大きな課題となっている。
設計技術講座に社会人や留学生の参加も見込む
このため名大は昨年から、
経済産業省の支援や委託による事業といった形で、航空機産業の中核となる人材を育てる取り組みを本格化。
三菱重工業や
川崎重工業のベテラン設計者やOBの力も活用して、コンピューターを利用した設計技術などの講座を開いている。新設する教育センターではこれらを引き継いだ上で、名大の独自事業として発展させていく方針だ。
講座には社会人だけでなく、学部生や留学生の参加も見込んでおり、宮田隆司副学長は「地域産業を活性化させるとともに、学生、留学生が実践的な経験を踏める教育システムにも発展させたい」と話している。