照明用有機ELのサンプルパネルを初出荷
ルミオテックは19日、来月から照明用有機EL(エレクトロルミネッセンス)のサンプルパネルの出荷を始めるとともに、2013年までの量産化に向け本格的に準備を進めていくことを明らかにした。一方、県もこの日、有機EL照明の製品開発を手掛ける県内企業などを公募して助成する方針を打ち出し、関連産業の集積を促していく。
照明用有機ELパネルが実用化レベルでサンプル出荷されるのは初めて。ルミオテックによると、パネルは2月15日から販売。14.5センチ四方で厚さ約4ミリのパネル1枚と、明るさのコントローラー、ACアダプターのセットで価格は8万円(税別)。照明装置のデザイナーや設計者向けの出荷が主となり、現段階で明確な性能保証はしていないが明るさなどは蛍光灯と同等レベル。同社は「顧客からの早期供給の要望に応えた。まずはパネルを手に取ってほしい」と説明する。
量産化に向け、サンプルで市場の反応を見る
市場の反応を見極めながら今年7月までに年間4万枚規模の生産に踏み切る計画で、当面の生産拠点は本社を置く米沢市の施設を活用する見通し。本格的な商業ベースに乗せる量産化の際には、売上高の規模が250億円とも想定されている。また、ルミオテックはパネル生産の事業性検証会社として設立されたが、実際の事業会社への転換準備も進めていく。
量産化の拠点が米沢市に置かれるかは未定。生産拠点の県内誘致に力を入れている県は、ルミオテックから提供されるパネルなどを核にした関連産業の集積を図っていく考えで、「県内企業の参画を促しながら産学官の連携を深め、拠点誘致の強みにしたい」としている。