非言語コミュニケーションの影響力
パプリックスピーキングにおいて、好ましい結果を得るには伝える内容ではなく、伝え方が重要になる。つまり、コミュニケーションでは、視覚情報の影響力が大きくなる。
ハーバード大学の社会心理学者エイミー・カディ(Amy Cuddy)氏は、ボディランゲージが心理を変化させ、心理の変化を受けて行動・態度は変わると述べている。また、結果や成果は、行動・態度より大きな影響を受けるという。
「The Gazette」では、非言語コミュニケーションに関する概念、研究を取り上げ、重要性について論じられている。
メラビアンの法則
カリフォルニア大学ロサンゼルス校の心理学者アルバート・メラビアン(Albert Mehrabian)氏は、複数の研究より、「メラビアンの法則」を導き出した。
「メラビアンの法則」とは、話し手が聞き手に与える影響力に関する概念であり、言語情報(言葉、伝える内容など)7%、聴覚情報(声の調子、話す速度など)38%、視覚情報(表情、目線、身振り手振り、ジェスチャーなど)55%となる。
背筋を伸ばして立つ
パプリックスピーキングにおいて、話し手の姿勢は聞き手が受ける印象を左右する。話し手は足を肩幅に開き、後頭部を天井から引っ張られているようなイメージで真っ直ぐに背筋を伸ばす。
「European Journal of Social Psychology」では、姿勢と他人に与える印象に関する研究より、背筋を伸ばした正しい姿勢は他己評価を高めると報告されている。
例えば、選挙候補者が猫背でうつむきながら選挙演説をした場合、有権者には否定的な印象を与える。一方、長時間に亘る演説中、背筋を伸ばして堂々と話した場合では、肯定的な印象となる。
眉を上げて話す
コミュニケーション活性化には、声のトーン(抑揚)・調子が重要になる。明るい声のトーン・調子は、相手に好印象を与え、話し手の伝えたいメッセージが効率的に伝わる。なお、声のトーン・調子は表情により変わる。それゆえ、パプリックスピーキングでは、眉を上げ、声のトーン・調子を明るくするように心掛ける。
また、眉間に皺を寄せないように意識する。話し手が眉間に皺を寄せた表情をしている場合、聞き手は否定的な印象を受ける。
効果的に手や腕を動かす
非言語コミュニケーションにおいて、手や腕は非常に大きな影響力を持つ。例えば、手をポケットに入れる、手を後ろで組む仕草は、優越感、自信の表れであり、印象を悪くする。特に、手を固く握る仕草は、真実を覆い隠す意味合いに受け取られる。
一方、聞き手に対して手のひらを向け、両腕を広げる動作は、寛容、率直な印象を与える。また、拳をつくる、手のひらを反転する仕草も効果的である。
(画像はPixabayより)
The Gazette
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