双極1型障害うつに対する適応追加承認をFDAより取得
大日本住友製薬株式会社は3月7日、米国子会社が非定型抗精神病薬「LATUDA(R)(一般名:ルラシドン塩酸塩、ラツーダ)」について、米国東部時間3月5日小児(10歳~17歳)の双極1型障害うつに対する適応追加承認を米国食品医薬品局(FDA)より取得した、と発表した。
米国子会社とは、サノビオン・ファーマシューティカルズ・インク(サノビオン社)である。
小児347名を対象とした第3相試験で有意な改善を示す
米国における双極性障害の患者数は成人1,260万人で、そのうち約50%~66%は18歳以前に発症し、診断が困難な疾患といわれている。小児では、約1.7%が双極性障害に罹患している。
双極1型障害うつは、双極性障害のうつ症状の状態で、躁エピソードまたは混合エピソードが少なくとも1回、うつ症状が1回以上認められる。
症状は、憂鬱な気分、活動への関心・楽しみの欠如、著しい体重減少、不眠、倦怠感、無価値感、集中力の低下、死について繰り返し考える、自殺企図などである。
ラツーダは、大日本住友製薬が創製した非定型抗精神病薬で、ドパミンD2、セロトニン5-HT2A、セロトニン5-HT7受容体に親和性を示し、アンタゴニストとして作用する。セロトニン5-HT1A受容体には、パーシャルアゴニストとして作用する。
米国では、2010年10月成人の統合失調症、2013年6月成人の双極1型障害うつに対する単剤療法ならびにリチウムまたはバルプロ酸との併用療法、2017年1月小児(13歳~17歳)の統合失調症について既に承認されている。
今回の承認取得は、双極I型障害うつの小児347名を対象とした、6週間のランダム化、プラセボ対照二重盲検比較試験である第3相試験のデータに基づいている。
第3相試験において、ラツーダは、双極1型障害うつの症状について、プラセボ投与群に対し、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示し、良好な忍容性を示した、とのこと。
(画像は大日本住友製薬株式会社のHPより)
大日本住友製薬株式会社のニュースリリース
http://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20180307.pdf