18年11月首都圏中古M、成約件数が前年比2桁増に

公益財団法人東日本不動産流通機構（東日本レインズ）は10日、首都圏1都3県を対象とする2018年11月度の不動産流通市場動向をまとめた「月例マーケットウオッチ」の公開を開始しました。なお、資料では仙台市、札幌市における市場動向もみることができます。

・首都圏中古マンションの成約動向
成約件数：3,225件（前月比＋4.2％、前年同月比＋11.1％）
成約平米単価：50.82万円（前月比＋0.5％、前年同月比＋1.2％）
成約価格：3,297万円（前年同月比＋2.9％）
専有面積：64.87平方メートル（前年同月比＋1.7％）
築後年数：21.73年

2018年11月度における首都圏の中古マンション成約件数は3,225件で、前月より4.2％、前年同月より11.1％の増加となりました。前年同月比でわずかにマイナスだった前月から再びプラスとなったほか、反動もあってか2桁増の伸びになっています。

価格も上昇し、成約平米単価は前月比で0.5％、前年同月比で1.2％のアップとなる50.82万円、1戸あたりの成約価格も前年同月より2.9％高い3,297万円になりました。専有面積は64.87平方メートルで、前年同月より1.7％の拡大となっています。築後年数は21.73年でした。

・首都圏中古マンションの在庫状況
新規登録件数：17,716件（前月比－1.6％、前年同月比＋8.4％）
在庫件数：47,258件（前月比＋0.6％、前年同月比＋5.0％）
新規登録平米単価：56.42万円（前月比－0.5％、前年同月比＋2.2％）
在庫平米単価：58.08万円（前月比＋0.2％、前年同月比＋2.1％）

首都圏全体の中古マンション新規登録件数は17,716件となり、前月に比べると1.6％少ないものの、前年同月比では8.4％の増加で比較的多めの登録になっています。これにより在庫件数は47,258件となり、前月より0.6％、前年同月より5.0％の増加になりました。

新規登録物件の平均平米単価は56.42万円で、前月より0.5％の下落、前年同月比では2.2％の上昇となっていました。在庫平米単価は58.08万円で、前月より0.2％、前年同月より2.1％の上昇、緩やかな上昇傾向が続いています。

・中古マンション地域別成約動向
【成約件数】
東京都区部：1,294件（前月比＋6.9％、前年同月比＋6.2％）
多摩：322件（前月比＋4.5％、前年同月比＋9.9％）
横浜市・川崎市：574件（前月比＋0.5％、前年同月比＋15.0％）
神奈川県他：251件（前月比＋12.6％、前年同月比＋24.9％）
埼玉県：370件（前月比－2.4％、前年同月比＋17.8％）
千葉県：414件（前月比＋2.5％、前年同月比＋9.5％）

【成約平米単価】
東京都区部：76.02万円（前月比＋1.3％、前年同月比＋2.4％）
多摩：38.13万円（前月比－1.8％、前年同月比－0.9％）
横浜市・川崎市：46.46万円（前月比－1.7％、前年同月比＋2.3％）
神奈川県他：29.26万円（前月比－11.1％、前年同月比－3.9％）
埼玉県：31.57万円（前月比＋1.7％、前年同月比＋7.4％）
千葉県：27.81万円（前月比＋1.7％、前年同月比＋4.2％）

中古マンションの成約動向を地域別に分析すると、成約件数では全地域が前年同月より増加となっていました。前月比では埼玉県のみ2.4％の減少でしたが、それ以外の地域はこちらも増加を記録しています。

中でも神奈川県他は、前月比で12.6％、前年同月比で24.9％の増加となる251件で、全体に占める件数は限定的ながら大幅増となっていました。そのほか、埼玉県や横浜市・川崎市が前年同月比で15％を上回る増加になり、多摩、千葉県でも10％に迫るややまとまった増加がみられています。

成約平米単価は、多摩と神奈川県他が前年同月比でマイナスとなり、前月比ではこの2エリアに加え、横浜市・川崎市もマイナスでした。それ以外の地域は前月比・前年同月比ともプラスです。

神奈川県他は下落幅がやや大きく、前月比で11.1％、前年同月比で3.9％のマイナス、30万円を切った29.26万円でした。前年同月比で最も上昇幅が大きかったのは埼玉県の7.4％で、31.57万円でした。東京都区部は前月比1.3％、前年同月比で2.4％の上昇となり、76.02万円になっています。

・首都圏中古戸建住宅の成約動向
成約件数：1,076件（前月比＋0.8％、前年同月比＋9.9％）
成約価格：3,121万円（前月比＋5.8％、前年同月比－1.5％）
土地面積：146.55平方メートル（前年同月比－5.6％）
建物面積：105.22平方メートル（前年同月比－1.8％）
築後年数：20.79年

2018年11月期における首都圏中古戸建住宅の成約件数は1,076件で、前月より0.8％、前年同月より9.9％の増加となっていました。マンションに続き、2桁に迫るまとまった増加で、成約が順調に進んでいることがうかがわれます。

一方成約価格は、前月に比べると5.8％の上昇になったものの、前年同月比では1.5％の下落、3,121万円となっていました。土地面積は5.6％の縮小で146.55平方メートル、建物面積は1.8％の縮小になる105.22平方メートルで、やや規模が小さい物件の成約が多くなっているようです。築後年数は20.79年でした。

・首都圏中古戸建住宅の在庫状況
新規登録件数：6,034件（前月比＋2.7％、前年同月比＋16.6％）
在庫件数：21,049件（前月比＋2.0％、前年同月比＋11.4％）
新規登録価格：3,746万円（前月比－2.4％、前年同月比－3.9％）
在庫価格：3,885万円（前月比－0.8％、前年同月比－2.2％）

11月に新しく登録された中古戸建住宅は6,034件で、前月より2.7％、前年同月より16.6％の増加となっています。これにより在庫件数は21,049件になり、前月より2.0％、前年同月より11.4％増加しました。在庫件数の前年同月比増は18カ月連続となっています。

新規登録物件の平均価格は3,746万円で、前月より2.4％、前年同月より3.9％低下しました。在庫価格も前月比で0.8％、前年同月比で2.2％の下落となり、3,885万円になっています。価格は横ばいからやや低下傾向で、新規登録が2カ月連続、在庫が7カ月連続の前年同月比マイナスです。

・中古戸建住宅地域別成約動向
【成約件数】
東京都区部：192件（前月比＋5.5％、前年同月比＋11.0％）
多摩：165件（前月比＋4.4％、前年同月比＋35.2％）
横浜市・川崎市：147件（前月比＋15.7％、前年同月比＋4.3％）
神奈川県他：131件（前月比－9.0％、前年同月比＋13.9％）
埼玉県：194件（前月比－4.9％、前年同月比－4.0％）
千葉県：247件（前月比－2.0％、前年同月比＋9.3％）

【成約価格】
東京都区部：5,751万円（前月比＋11.8％、前年同月比＋4.1％）
多摩：3,235万円（前月比－1.1％、前年同月比－7.7％）
横浜市・川崎市：3,874万円（前月比＋0.3％、前年同月比－7.8％）
神奈川県他：2,464万円（前月比＋0.3％、前年同月比－0.2％）
埼玉県：1,960万円（前月比－1.6％、前年同月比＋0.3％）
千葉県：1,815万円（前月比＋2.9％、前年同月比－8.2％）

中古戸建住宅の成約動向を地域別にみると、成約件数で前年同月より減少したのは埼玉県のみで、それ以外の地域は増加となっています。中でも多摩と神奈川県他は大きく伸び、それぞれ35.2％、13.9％の増加を記録しました。横浜市・川崎市も低調な前月から15.7％アップ、前年同月比で4.3％の増加となる147件にまで回復しています。

一方成約価格をみると、前年同月比で上昇したのは東京都区部と埼玉県で、それ以外は下落傾向にありました。前月比・前年同月比の両方で上昇がみられたのは都区部のみで、同地域は前月比11.8％、前年同月比4.1％の5,751万円になっています。多摩、横浜市・川崎市、千葉県はややまとまった下落になり、それぞれ前年同月比で7.7％、7.8％、8.2％のマイナスでした。

（画像は東日本レインズ「月例マーケットウオッチ 2018年11月度」公開資料より）




公益財団法人東日本不動産流通機構　「月例マーケットウオッチ」資料提供ページ
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