風騒音シミュレータを開発し、本格運用を開始
大成建設株式会社は1月23日、業界初となる「風騒音シミュレータ」を開発し、本格運用を開始した、と発表した。
実物の外装部材で高層ビルの高風速環境を再現
集合住宅の高層化や,建物の意匠性に配慮した外装部材の形状の多様化に伴い,風騒音の問題が顕在化している。風騒音は、住環境障害となる可能性が高いため,計画・設計段階から綿密な検討を行い,適切な部材を選定することが望ましい。
風騒音の対策を検討する際、バルコニーの手摺、目隠しルーバー、パンチングメタル、ゴンドラレールなどの外装部材を、風洞実験室に設置して発生音の分析を行う。
従来は、吹出口が小型で最大風速も低いため実物の試験体を用いた実験や超高層建物で想定される風速20m/s以上の高風速環境下での実験が困難であった。
大成建設が開発した風騒音シミュレータは、対象以外の建物周辺で発生する騒音を再現しつつ、対象となる騒音が計測可能である。音響風洞実験室、暗騒音付加システム、風騒音評価システムから構成されている。
音響風洞実験室は、実物の外装部材を用いた実験や高風速実験を行うことが可能である。
暗騒音付加システムは、建物周辺の暗騒音を場所や音量別で再現することができるため、部材単体の風騒音評価だけでなく、現実の建築物における風騒音を体感し評価することができる。
風騒音評価システムは、実験で計測された風騒音と暗騒音との相関の有無や大小を客観的に評価する。
事前に風騒音を評価し、仕様を提案
大成建設は、風騒音シミュレータを活用することで、建物の新築・改修前に建物の外装材から発生する風騒音を評価し、必要な対策をとることが可能になった。
また、風騒音が発生しない外装部材の開発を行っていく予定である。
(画像はプレスリリースより)
大成建設株式会社のニュースリリース
http://www.taisei.co.jp/