公約後に新型車の生産発表
英政府は、日産自動車が英サンダーランド工場での新型車製造を決断するに当たり、英国日産に競争力維持のための支援をすると公約したことが、10月27日報じられた。
この政府の公約は、10月始めに日産のカルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)がメイ首相と会見して、EUから関税を課された場合の影響について協議、英国日産の置かれている事情を説明し、首相は前向きに検討するという約束を受け、今回の英国政府の正式な回答となったものである。
新機種生産で雇用増大
日産はこの報道後の10月28日、スポーツタイプ多目的車(SUV)「キャシュカイ」と「エクストレイル」の新型車を、英サンダーランド工場で生産することを決めたと発表している。
英国日産は7000人の従業員を抱え、英国で生産されている総台数160万台の3分の1に匹敵する台数を生産している英国最大の自動車メーカーであるが、この新車種の生産が決定したことで、さらに雇用が増えることが見込まれている。
EU離脱の影響
英国日産は、イギリスのEU離脱によって、EU単一市場への輸出に関税あるいは特別付加税などが科されるのではないかと懸念していた。
9月には、英国の自動車輸出に新たに関税が設けられた場合、英政府が補償を約束することが英国への追加投資の条件という認識を示し、最悪の場合はこの2車種をヨーロッパ本土のスペインで生産することも検討していたとされている。
欧州委が問題視
一方、欧州連合(EU)欧州委員会は、英国政府の日産支援が、違法な国家補助に当たる可能性があると問題視し、欧州委が英当局と接触、照会していることを、欧州委の報道官が11月6日まで明らかにしている。
報道官によれば、英政府はこれまで「日産への支援に関して、EUの国家補助に関するルールに基づく通知を行っていない」としたが、その一方で「正式な判断は下していない。こうした情報交換は一般的だ」と、現時点での正式な調査は否定している。
Reuters
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